靖国神社と皇室典範をイデオロギーに捉われずに考えています。
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片岡鉄哉 略歴 1933年、栃木県に生まれ。元スタンフォード大学フーバー研究所研究員。早稲田大学政経学部卒業。シカゴ大学大学院政治学部博士課程修了。 1969年ニューヨーク州立大学政治学部助教授、1982年筑波大学歴史・人類学系教授に就任。1984年スミソニアン・インステテューション Woodrow Wilson Center fellow
返事がおそくなりました。特に基地問題にくわしいわけではありませんが、メールの二点に答えます。
(1)「基地をマリーン(海兵隊)の既得権として維持しようとしているのではないでしょうか」
これはあるかもしれない。有りうるでしょう。しかし、だから海兵隊が大統領や議会より強い、海兵隊がアメリカの外交政策を決定するというのは間違いです。これは「木を見て森を見ない」というものです。
(2)「日本の属国化が進んでいる、という感が致します」
これは逆ですね。小泉総理が集団的自衛権と憲法改正に進んでいるのは日本独立への第一歩です。イラク派兵が一種の約束手形です。既に自主性を回復しているのです。だからこそ、牛肉問題で日本がアメリカを苛めているわけです。一昔前だったら、しこたま輸入を強いられたでしょう。
現在、日本の自動車産業は、GMとフォードから米国市場を奪おうとしています。それをブッシュが黙って見ているわけです。「小泉が改憲の努力をしているのだから足をひっぱるな」という配慮からです。
日本の対米輸出は、アメリカの対日輸出の二倍です。だから今、日本の自動車輸出に反対する巨大なマグマが盛り上がっています。民主党の政権になったら、アメリカは保護主義で爆発すると思います。
今、日米関係はパラダイム・シフトに入っています。戦後60年の固定観念を引っくり返すような大変化が始っています。いつまでも過去に捕らわれていては駄目です。
貴兄のパーセプションは正しい。それは日本政府が60年かけて、培ってきたものです。日本政府は、常にアメリカ政府の怒鳴られて、押されて、言うなりになってきました。だが、これは見せかけなのです。
日本政府は米国との軍事協力を一貫して、徹底して拒否して来ました。しかし自分で反米をやることを控えて、社会党や沖縄市民に反米をやらせて、自分は日米の板ばさみで苦しんでいると見せかけて来たのです。
例えば、久間章生・自民政調会長代理がイラク戦争に関して何を言ったかを、見てください:
「今までの日米関係を考えると『(戦争に)反対』とはいえない。かといって『支持する』という強いスタンスも取りにくい。『理解する』という程度だと思う。それを米国は『日本が支持してくれた』と言い、日本は敢えて否定しない。大体そういう格好だろう。・・・・・ 外務省は米国の外務省みたいなものだから。・・・・しよう がないんじゃないの。日本は米国の何番目かの州みたいなものだから」
判りますか。久間章生は橋本派です。保守本流です。彼らは日本の自主防衛を拒否する。しかし無防備では危ないから、アメリカに守らせる。小泉にアメリカと協力させる。外務省にアメリカと協力させる。
そして、「しようがないんじゃないの。日本は米国の何番目かの州みたいなものだから」といって嘆いてみせる。「俺はアメリカと協力なんかしないが、小泉がやるんだ。しようがない」というのです。しかしアメリカを拒否するのは久間章生なのです。
問題はなぜ橋本派が自主防衛を拒否するのか、でしょう。しかし、これは絶対口に出さない。判りますか。
保守本流は自分で日本を守らない。そこで、日本を守る米軍を沖縄に配置したのです。貴兄は、アメリカを憎むように保守本流によって洗脳されてきたのです。
この巧妙な芝居がアメリカ政府に判ってきた。そこでブッシュ大統領が、小泉総理に、自主防衛をするように要請したのです。これは日本のためであり、沖縄のためです。
保守本流に洗脳されて、踊っては駄目です。真実を知り、新しいパラダイムを理解してください。沖縄市民の幻影をくすぐるペテン師に踊らされていると、本当の利害には盲目になる。
また文通しましょう。僕は嘘をいいません。ご健勝をいのる。 片岡
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